2019年10月 台風19号千曲川決壊~

先日、長野県危機対策課の方から連絡があり「表彰したく代表挨拶で台風19号救助活動の話しを知事へお願いします・・・」と依頼され、次の災害に役立てばと熊本県から戻り引き受けた。(長文失礼)

私達がカナディアンカヌーを使っての捜索や救助活動は、いくつかの河川での行方不明、神奈川県玄倉川での水難事故(丹沢湖)、東海豪雨(西枇杷島、新川町)、台風23号円山川(豊岡市)、西日本豪雨(岡山県真備町)、東日本大震災(宮城県)などなど。 その活動の中でいくつか課題があり、共有していただく為に下記を挨拶として話した。

①カナディアンカヌー(OLD TOWN)は、2名以外に300キロは積載可能で、(#四万十塾 「人無しでMax490kgは可能だね」木村とーる談)2艇でカタマラン筏にすると、ガイド2名以外で10人は乗れる。また、脚立を立てられ、水位が引いて障害物に接触しても頑丈で乗り越えやすい。また、音がする船外機で無いパドル移動の為、救助者の声が聞こえる(今回、近くにヘリがいなかった為、何人かの声が聞こえた) ちなみに船外機は、様々な障害物があり不向き。

②ヘリコプターレスキュー隊の救助苦手な家があり、低空で私達に接近して来て(えらい風~)、指差しして「あの家を頼む」と合図が来る。二階から、一階の屋根上に移動できる家は簡単に降下可能だが、二階ベランダも屋根下になる家は、レスキュー隊は降下しにくい。 また、避難希望者が緊急を要するかを色分けでの旗や目印を事前に配布しておくと優先の識別か可能。
今回、誰に救助されたのか?の振り返りして、家の形式でヘリコプターが来れるのか、調べておくと水害想定地区の備えとなるだろう。また二階に食料備蓄、ゴミ袋(排泄物用)も必要。

③消防や自衛隊レスキューは、一方通行(被災家屋→陸地へ)
浸水家屋に残されている高齢両親を迎えに来たり、避難を拒んでいた家族の方々が時間と共に集まり「携帯もつながら無いから、一緒に乗って迎えに行けませんか?」と頼まれ、私達のカヌーに乗せて現場に入ることがある。様々な理由で避難所で無い場所への避難を希望する方など、時に説得して救助することがある。

今回の豊野地区では水位の減る速さから、明日には引いているから、食料があれば、無理して窓やベランダを乗り越えたりして避難しない方がいいだろう。避難所も混雑しているし・・・とアドバイスして救助しないケースもあった。翌朝、自衛隊救助船が到着していたが、水が引いたことを確認した。(河口に近い決壊氾濫被災地は、なかなか水位が引かないケースあり。西枇杷島、新川町や豊岡市)

夕方頃豊野の一階が水没した病院に勤務している看護師十数人(発災当時休み)が 集まり「病院内で不眠不休の看護師達の応援に行かせてください!消防レスキュー隊に言っても連れて行ってくれないんです・・・涙」という。その後、ヘッドライトで看護師達を病院に送り続けて21時頃活動は終了した。以上です~

●終わりに 台風19号発生時に、#四万十塾 のカヌーツアーが偶然新潟県で準備され(中止)ていた為、私の救助入り後「すぐに長野市に向かう」と連絡があった為、スピードを出せるシングルカヌーで初動救助に入れ、ずぶ濡れの方々を助けることができた。その仲間達がいなければ、今回のような大勢の方々を救助できなかったと思う。 東日本大震災の翌朝気仙沼に入った時、夜中マイナス7℃の気温で水没した方々の生存者に出会うことができなかった。あの朝の光景は、忘れることができない・・・

私達のカヌー師匠、動いて当たり前の故山田和尚を想いつつ・・・
「川で月を見ていますか~」
実は、ボラ仲間には、カヌーイストが多い。

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